講座10 就活面接コミュニケーションの意図
前回テーマの「応えに必要な客観的角度」について、さらに深堀りしていく。
多くの採用面接マニュアルでは伝えきれない『面接時コミュニケーションの本質』について
◆『コミュニケーションの意図』をつかむ◆
さて、今回も就活の採用面接時におけるコミュ力についてである。
前回の宿題「貴方は学生時代、学業以外にどんなこと(趣味・サークル)をやっていましたか?」という定番質問。
皆さんなら何と答えるか考えていただいただろうか?
答えの考え方に移る前に、まず始めにこんな話を——————-
以前バブルが弾け、多くの企業が中高年社員リストラを敢行し、中高年社員の就活にスポットが当たった時期がある。
その際、採用面接で 「貴方は何ができますか?」と言う質問に「部長ができます!」と答えたケースがあったそうだ。
他にも「部下を数名いただければ、課長としてやっていけると思います!」と元気はつらつ答えたケースもあるとか。
さぞや面接した人事の方は、呆れたことだろうね。
この話を聞いてお皆さんの多くは、昔の笑い話として捉えるだろうが、
実は現在就活中の新卒学生や中途の応募者の多くがコレに近しいことを答えているのである。
『コミュニケーションの意図をつかむ』
このことが理解できていない典型例である。
ここで、よくよく質問の意図を考えて欲しい。
つまり相手は何が知りたくて、何を把握したくてその質問をしたか?である。
「貴方は何をやっていましたか?」 は
◆『本人の能力や経験・スキル』を図る質問項目であり、
さらにその答え方で
◆『コミュニケーション力』を把握するためのものである。
従って今回の宿題、
「貴方は学生時代、学業以外にどんなこと(趣味・サークル)をやっていましたか?」に対し、
A「テニスサークルで部長をやっていました」
B「イベントサークルでリーダーをやっていました」
C「××研究会に所属し、学祭を中心に活動していました」
といった答え
また、中途採用などで「貴方は前の会社でどんな仕事を?」と言う質問に
D「営業をやっていました」
E「デザイナーをやっていました」
F「販売のリーダーをしていました」
という答え
全て、答えのようで答えになっていないのである。
多くの応募者の中からの少数採用の場合、このような答えではその時点で敗退である。
部長、課長、リーダー…は肩書のこと。
しかも大学、その会社と言う世界の中だけでの呼び名であり、
営業・デザイナー・販売は…職種名。
具体的な仕事内容の説明ではないのである。
従って答えられた方も「ああ、そうですか」となり、評価のしようが無いのである。
つまり質問の意図「どんなことをしていたのか?」に的確に答える為には、
★やっていたこと、所属していたものはどんな活動をしていて、
★その中で自分はどのような何の役割を担っていたのか?
★だから具体的にはどのような行動活動をしていたのか?
と言う観点で答えるのがよいのだ。
もし、相手がそのことに精通していない(サークルのテーマ、前職の業務内容など)と思われた場合には
前回まで同様、『客観的角度』の視点を加えることで、
さらなる相互理解と本物の良いコミュニケーションがうまれてくる。
じゃそういうヤリトリは?
それは次回で。
編集長 今日の一言
「女の子に何か聞かれて、ちゃんと答えたつもり。でも会話がソコで終わってしまう。そんな人居るんじゃないか?それは質問の意図が理解できてないからだ!!」