【第4回】向いてる仕事?向いてない仕事?
第四回は、仕事をコロコロ変える男の話。
「この仕事は合わない」「向いてない」…。
皆さんも、そんな風に愚痴ったりしてませんか?
でもそれって本当に「向いてない」だけですか?
編集部員:ナルミ
今年の春、恋タメ編集部にやってきた、入りたてホヤホヤの新入社員。
明るく積極的な性格が災い(?)して、今回この企画に大抜擢。
入社一カ月目にして、すでに編集部のマスコット的存在。
編集長:エアロ酢味噌
泣く子も号泣の、恋タメ編集部の名物”鬼”編集長。
…とは言え、義理人情に厚く、面倒見も良いので、実は意外にも(?)皆に好かれている。 曲がった事が大嫌い。ちょっと頑固で古臭い一面も…。
Scene 4 定時間際のオフィスにて…

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あーあ……

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どうした、デカい溜息なんかついて。男にでもフラれたか?

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フラレたんじゃありません!
むしろこっちがフってやったんですよっ! 
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わっ、分かった。とりあえず落ち着け、なっ。

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まったく、デリカシーが無いんだから…ぶつぶつ。

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い、いや、まぁ、そりゃむしろ景気のいい話じゃねぇか。
男なんて掃いて捨てるほどいるってことだろ? 
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で、何でまたフったんだ?

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フったっていうか……ちょっといいなぁって思っていた人がいたんですけど、失望しちゃったっていうか……。

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昨日飲み会があったんですけど、そこでその人が『俺、また3ヶ月で仕事を辞めたんだ』なんて話をしてて…。

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1回や2回だったら『合わなかったのかな』って思えるんですけど、その人、これで3回目なんですよ。
何だかそういうのって、いち社会人としてダメなんじゃないかなぁって。男としての魅力まで感じなくなっちゃいました 
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あ~、そりゃあ明らかにその男に問題があるな

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ですよねー、やっぱり……

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しかし、ホントに最近の若いヤツらはすぐに仕事を辞めたがるよなぁ。

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なっとらぁぁぁん!!!

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………………………………。

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(あー…。やっぱりまた始まっちゃうんだ、この手の話題は…。)

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ウチの辞めていった社員にもいたが、やれ『向いてないです』だとか、『モノを作ったり企画を立てる仕事が向いているんです』だとか……。

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20代半ばで数ヶ月やったぐらいで、何がわかるってんだ!
最低3年はやってみろってんだ!! 
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へっ?3年?
なんで3年なんですか? 
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石の上にも3年と言うだろう。

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え? あ、はぁ……

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よく『営業は向かない』とか『コツコツやる地味な仕事は苦手』とか言ってるヤツがいるけど、そもそも最初から『営業が好きで向いている人』や『コツコツやる地味な仕事が好きな人』なんていねぇんだよ。

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それでもとりあえずトライして、シンドさや辛さを味わっているうちに、奥深さや面白みもわかってきて、その仕事が好きになっていくもんなんだ。

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それが大体3年なんだよ!

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あっ、なるほど!

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確かに私も昔、親にイヤイヤ通わされていた習い事を面白いと感じられるまでに3年かかりましたね。

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1年目はひたすら型を追うことに精一杯で、2年目はそれに慣れることで精一杯で、ある程度楽しみながら自由にできるようになったのが、3年目でした。

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まぁ、共通点はあるかもな。
――――仕事と習い事。ジャンルは違うけど、やっぱり共通している部分はあると思う。そう考えると、最初の段階でその経験から逃げ出そうとする人って、やっぱりちょっと頼りないと思ってしまう。
私自身、あの3年間の経験のおかげで、すごく大人になれたと思えたから。

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ところで習い事って、何やってたんだ?

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お琴を少々……。

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……………………………。

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……………何か?
……………問題でも? 
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い、いや、何でもない。
(……今の金髪見たら親が泣くんじゃねぇか?) 
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でも、まぁ、しかしだ。
仕事と習い事が少し違うのは、仕事は『社会において自分を表現していくこと』ってところかな。 
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単に生活の糧を得る方法だと考えているヤツもいるだろうが、それは違う。

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特に若い世代は、仕事自体や、仕事を通しての出会いで学んだり、自分を成長させることこそが大事なんだ

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ん~。でも『自分を表現していく』のであれば、『向き・不向き』はやっぱり重要なんじゃ…?

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バカモ~~~ン!!!

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ひゃあぁぁぁ~~!!?

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何かに年単位で真剣に取り組んだこともない奴が『向いている、向いていない』を自分で判断するんじゃない!!

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この突発的怒声のパターン、もうすっかり慣れたと思ってたのに…すっかり油断してました…うぅっ…。

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逆に言うとだ。
自分が何に向いているのか、何にヤリガイを感じられるのか……そんなことは、ひとつの仕事に真剣に3年も取り組んでいれば、自分にも周りの人間にも、自然とわかってくるものなんだよ。 
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それがたとえ結果的にはその仕事ではなかったとしても、な。

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そもそも『向き・不向き』を判断するのは自分ではなく周りなんだよ。

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確かにそうですね。

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自分で向いているだの向いていないだの言っている人って、『それって単なるワガママなんじゃないの?』ってことも多い気がします(笑)
――――ちょっと意地悪な意見だけど、人が「自分にはこれが向いている、向いていない」というのを聞いていると、面白いなぁと思う。
だってそれって、大体が向いているかどうかというよりは、そういうイメージで見られたいかどうかだから。
地に足がついていない自分論、みたいなものなんだよね。

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だろ?
20代半ばぐらいまでは、とにかくグダグダ言わずに、一度始めた目の前のことに精一杯取り組んでみろってんだ。 
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そのほうがよっぽど、自分のその先の可能性が広がっていくもんだよ

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よく女性は母親目線で男性を見たりもするものだって言いますけど…

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そういう見方でも、『アレヤダ、コレヤダ!』とダダをこねる子供より、『がんばってみるよ!』と立ち向かう子供のほうが好きなのは間違いないです(笑)

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もちろん、ステータスや収入そのものに惹かれる場合もあるだろうけど、『それらを実際に実現していたり、実現していけそうな相手の能力や可能性』に惹かれるっていうほうが、実際にはもっと多いと思う。

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単に世間一般的にカッコイイといわれる仕事や、実入りのいい仕事をするからモテる、ってわけじゃないんだよな

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うんうん、わかります!

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横文字系のカッコよさげな仕事や、単にお給料のいい仕事をしてすぐに辞めてしまう人よりも、フツーといわれる仕事でも、自分なりに粘ってがんばっている人のほうが、男としても人としても魅力がありますよね。
――――若い男の子ってバカだなぁって思ってしまうときが、こんな私にもある。
それはイメージばかりに惹かれて「何をするべきか」にばかりこだわり続けているのを見たとき。
私たち女子が見ているのは「何をするべきか」よりもむしろ、「どうするべきか」のほうなんだよね、案外。

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要するにどんなことであれ、目の前の課題に真面目に真剣に取り組み、自分を成長させようとしている男がカッコイイんだよ。

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そういう意味では、何か夢があってそれをひたすら追うというのも、たとえそのときは仕事にはなっていなかったとしてもカッコいい。

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ミュージシャンになるべく地道にライブをしながら、夜はひたすらコンビニの深夜バイトなんてのも、な

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それって恋愛でもそうですよね。

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『フラれるぐらいなら友達のままでいい』って告白しないでヘラヘラしている人よりは、『もう会えなくなってもいいから、ちゃんと告白しよう』って真正面からがんばっちゃう人のほうが、何だかんだ言って彼女ゲット率が高いような気がします。
――――目に見えるカッコ良さよりも、玉砕してもいいから自分の信念を貫く。
そんな姿勢は見ていてすがすがしいしカッコいいし、何もしないでいるよりも本人も多くのことを学べるだろうから、もしその子にはフラれてしまったとしても、絶対にすぐに次が出てくると思う。
これって確かに、仕事でも同じかもしれない。

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そうだ。四の五の言わずとりあえずやってみることで、後々得られるものは大きいし、必ず差も出てくる。
それがいちばん顕著にわかるのが仕事なんだよな。 
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まぁ、お前も男を選ぶときは、仕事をすぐに辞めるようなヤツは止めておけよ。

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そうしまーす。

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